天声手帳

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熊本地震で中央構造線が注目されている。

 熊本地震中央構造線が注目されている。

南アルプス塩見岳に登った時に、友人の勧めで見学した大鹿村中央構造線博物館のことを思い出した。ガイドの方が1時間以上詳細に説明しくれたが、そのときは半分くらいしか理解できなかったので、もう一度復習してみた。

 

話は日本列島の成り立ちから始まる。大陸の端に日本の元ができて、そこに南からプレートに乗って別の島が来てくっついた。だから日本列島はもうこの時に性質の異なる二つの土地から成立している。この土地の境目が中央構造線である。その後日本列島は大陸から離れ日本海ができた。そのとき西側は南に東側は北に回転したので、日本列島は弓なりになり、真ん中に裂け目ができた。これをフォッサマグナという。

 

なぜこんなことがわかるかというと、明治8年にドイツ人の地質学者エドムント・ナウマンさんが来て、日本各地の地表に露出している岩石を分析してわかった。この先生は偉かったので、後に日本の学者が昔、日本にいた象にナウマン象という名前をつけた。遺跡の出た野尻湖ナウマン象の博物館がある。中央構造線は日本列島を縦断する形で、長野から静岡、愛知を通り紀伊半島を横断して四国の瀬戸内海側を通り、大分、熊本に至る。北は関東まで確認できるがそれ以北は地表に露出がないので、よくわからない。

 

中央構造線は当然活断層なので、その活動が活発かどうかで大まかな地震発生の予知になる。博物館の資料では紀伊半島から四国中央にかけてがAランク(活発度高い)四国西部から九州はBランク、静岡、長野はCランクとなっている。Aランク地域の地震は1594年の慶長伊予・豊後・伏見地震が有名でM7クラスの地震である。Bランク地域はM6クラスの地震が1600年以降10回も起きている。今回の熊本地震は一段階大きいM7なので被害が拡大した。連動型で余震が多いのも慶長地震にそっくりである。

 

近いうちに大きい地震がありそうだというのは、私の住む関東も同じである。関東の中央構造線をもっと分析して今のうちから対策に力を入れたい。