天声手帳

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「家族はつらいよ」を見て思ったこと

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GWにまだやっているかなと思って、以前からみたいと思っていた山田洋次監督の「家族はつらいよ」を「MOVIXさいたま」に見に行った。役者がベテラン揃いで、「新東京家族」と同じ顔触れと聞いていたので、どんな離婚劇かなと期待していた。

 ストーリーは祖父役の橋爪功が靴下を脱ぎ棄てながら、祖母役の吉行和子に誕生日にほしいものは何か聞くところから始まる。それが「離婚届」だったことから、家族ぐるみの騒動となる。喜劇調にすすむので、展開が予想できると思って、見ながら次の展開を予想していた。祖父が倒れて救急車で運ばれても、死ぬ展開にはならないので、安心してみていられる。

最後はハッピーエンドになるので、「離婚届」は、なしになるのはわかっていたが、最後まで祖母は離婚する理由を明かさない。それで何が理由で離婚届けがなしになるのか、見ながら予想した。

1 吉行和子の演技が認知症っぽかったので、「私病院で認知症と診断されたの、        あなたに迷惑をかけるといけないと思って離婚しようと思ったの」


2 祖母は家を出て一人暮らしの友人のところへ行くと言っていたので、「友人から息子と同居することになったと言われたの」で私、行けなくなった。


3 祖父の浮気相手とされた、居酒屋のおかみ役の風吹ジュンから逆に祖父は祖母を愛していると説得される。

 

予想は全部はずれた。祖父は離婚届けに判を押すことになったのである。ここから先はネタばれのためここには書かない。

 

帰りの電車の中で、車掌が「いつもJRにご乗車ありがとうございます」というのを聞いて思った。ありがとうは魔法の言葉で、最近は接客業では連発されている。ありがとうと言われるのに慣れっこになっているのである。これはありがとう症候群ではないか。

人からありがとうといわれると、気分がいいのでそれを聞くために席を譲っていないか。熊本地震で現地にボランティアに行こうという話が私の地元でも出ているが、自分が周りから頼りにされ喜ばれているのを実感するために行くような気がしてきた。

知らない人や不特定多数の人にありがとうは言えても、レストランでお店の人においしかった、ありがとうと言えるだろうか。駅の改札で、電車遅延の混雑をさばいている駅員に大変ですね、いつも定刻でがんばってくれるのだから、今日はゆっくり待ちますよと言える人が何人いるだろうか。

 

ありがとうは人に言われるのではなく、面と向かって○○さんありがとうと自分から言うから、魔法の言葉になるのである。