おじいさんの7つの役割
おじいさん受難の時代である。地下道でダンボール生活のおじいさんは悪いこともしてないのに、若者にいじめられる。家にいても粗大ゴミ扱いで、早くデイサービスに行きなさいと追い立てられる。社会的に地位のあった人でも引退すれば同じである。定年までしっかり働いたのになんで感謝されないの?とくやしがるのも無理はない。
そこでおじいさんの役割を考えてみた。
1 正直である
花咲爺さんを持ち出すまでもなく正直なのは爺さんで意地悪なのが婆さんである。
2 人がいい
3 やさしい
好々爺という言葉がある。善良でやさしいお爺さんのことである。
老婆心はおせっかいなのだ。
4 欲がない
5 怒らない
6 笑っている
宮沢賢治が雨ニモマケズを作ったのは晩年である。そこにはヨクハナク、
ケッシテイカラズ、イツモシズカニワラッテイルとある。
7 おおらか
孫と遊ぶおじいさんがいいからいいからが口癖で孫にうつってしまう童話がある。
いずれもいいイメージばかりである。昔の話の中におじいさんの理想像がある。
おじいさんは一族の最年長者であることが多い。
死ぬ間際に願うのは必ず一族の繁栄である。
毛利元就の「3本の矢」は兄弟仲良く、力を合わせて難関を乗り切れと教えている。
天武天皇の「吉野の盟約」も6人の子供たちに仲良くやれと諭している。
今は長寿の時代なので、おじいさんが伝えるべき相手は孫である。子供たちは親に反発するので言うことを聞いてくれない。ちびまる子ちゃんは友蔵じいさんと一番仲がいい。おじいさんは孫を甘やかしてしまうと言われるが、孫と仲良くしているおじいさんの姿があるのが一家が平和で繁栄している一番の証拠なのである。
私が今一番なつかしく思い出すのも、父方母方の祖父の笑顔である。それは決して無駄ではなかった。