天声手帳

話題のニュースや身近な事件で感じた事です

認知症はガンより怖い

f:id:yken1122:20160621085737j:plain

昨年8月の介護保険制度の改正で施設の食費、居住費の補助(補足給付)を受けられる基準が厳しくなったため、月8万円の負担だった人が17万円にはねあがったと朝日新聞の記事に紹介されている。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

特養の住所で世帯分離していた認知症の母が、これまで非課税世帯とみなされ補助を受けていたが、実家の父が住民税課税世帯のため、補助の対象外になったという。これでは年金生活の父ともども共倒れになるので、息子が仕送りを始めたがそれでも足りない。確かにいきなり倍以上に施設費がかかれば、暮らしていけなくなることはわかる。今までと同様に補助を受けたいなら父と離婚するしかないそうである。なんとも悲惨な状況ではないか。

 

自治体の生活相談窓口では担当職員から「国にはもう財源がない。生活プランを見直してほしい」といわれ、在宅介護を勧められたという。しかし重度の認知症であれば、例え会社を辞めても在宅介護などできるはずはない。弁護士に相談したら離婚しかないと言われたのである。国は払える人は負担する制度に変えたといっているが、現実はそんな生易しくない。

朝日新聞は一例にすぎないと思うが、全国的に見ても補助を申請する人が120万件から90万件に減ったという。国は改革成功と思うかもしれないが、弱者切り捨て政策なのである。声なき声で苦しんでいる人がそれだけいることになる。

 

住民税が非課税の世帯でも一定の預貯金があれば、同じく補足給付を受けられない。これからマイナンバーが徹底して来れば、国は預貯金の把握もできるので、給付を受けられる人はもっと減ることになる。これは他人事ではなく、これから後期高齢者になる人全員、もちろん私のところも対象になる。預貯金を取り崩しても、入る見込みがないのだから、すぐなくなる。1億円以上預貯金がなければ、安心する人はいないだろう。

 

そうなるとこれを防ぐ手段は夫婦共々認知症にならないよう努力するしかない。どちらがなっても本人も家族も苦しむことになるのだから。私の友人はリタイア後もシルバーなどで働いている人が多いがシルバーでの収入は知れているので、すぐ同じことになる。

 

がんや病気の場合は、医療保険があるので3割負担になっても、少しづつの上昇ですむが、介護の問題はいきなり費用が跳ね上がるので、対応できない。
消費税の先送りで高齢者にしわよせがきているのは間違いないが、消費税を上げても制度が変わるわけではないので、自分で認知症にならないよう努力し、ぴんぴんコロリをめざすしかないようだ。