読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

天声手帳

話題のニュースや身近な事件で感じた事です

タックスヘイブンを許さない

社会

f:id:yken1122:20160624070005j:plain

パナマ文書タックスヘイブンといえば、今年の流行語にしてもいいくらい有名になった。しかし実際に企業や個人が違法のため、タックスヘイブンを止めた、税金をきちんと払うようになったという話は聞かない。大企業の脱税や富裕層の税金逃れを許していて、消費税だけ上げるのはなんとも納得できない話である。

 

タックスヘイブンとは租税回避地のことで、税金が極端に安い国や地域のことである。パナマもその一つだがケイマン諸島、南太平洋諸島の国々、香港、シンガポールなどのことで、これらの小さい国や地域はもともと人口も少ないので、国としてやっていくための税金も少なくて済むのである。これらの地域は企業や富裕層を誘致して税金を安くするだけでなく、「金融情報の秘匿」「名義貸し」など利用する側に有利な条件を揃えて、手数料を目当てに自国のPRをしている。企業は持ち株会社や子会社の名義をその国において、トンネル会社に利益が集まるように工夫する。最近はビルまで用意してくれるところもあるという。

 

これに対し国内のマルサ(国税査察局)が摘発した脱税は2015年度、全国で181件138億円で氷山の一角にすぎない。日本では5000万円以上の海外資産をもつ人は申告しなければならないが、現在100万人いると言われるミリオネア(100万ドル以上の資産保有者)のうち、8000人が申告しているに過ぎない。
これは1%に満たない数字で残りはどうなっているのか。

 

タックヘイブンで一番税金を取り損ねているのは米国で11兆円とも言われる。日本からもケイマン諸島だけで60兆円以上の資金が入り込んでいるという。ここからきちんと税金をとれれば、消費税値上げなど必要ないことは明らかである。パナマ文書で辞職したのはアイスランドの首相だけ、違法だと指摘したのは欧州のEUで、スターバックスフィアットが27億から41億追徴の見通しとなっているが、日本はまだない。

 

日本の税務当局は、親会社は子会社への出資金の割合に応じて内部留保を日本の所得合算し、課税対象に含めることになっているが、まだ実態が把握できていないため、実行できていない。今後マイナンバー制度で個人や企業の財産が名寄せされ、国が把握できるようになればもっとやりやすくなる。日本でも米国のマネをして「外国口座税務コンプライアンス法」を作って積極的に取り締まってもらいたいものである。

 

一握りの富裕層が富の大半を握り、その他の多数の人はつつましやかな生活を強いられる経済格差の問題は、日本でも着実に進行している。企業や富裕層の税金を安くして、景気上昇をねらうアベノミクスは失敗している。

タックスヘイブンの取り締まりを強化して、国民にPRするのが選挙に勝つ一番いい方法だと思うが、安倍首相は気づいているのだろうか。