天声手帳

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EU離脱その後

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英国の国民投票でEU離脱が決定してから1週間がたった。経済の混乱から、これからの見通しまで、EU離脱問題はまだ毎日ニュースのトップである。正式離脱までは最低2年と言われているのに、今からその動向は目が離せない状況である。

 

最初は離脱決定後の離脱へ投票した人たちの後悔である。経済の混乱や、マスコミから英国の今後の茨の道を教えられて、軽い気持ちで投票したが間違えたとの声が多数ある。残留へ投票した人たちも含めて、投票やり直しの署名が集まっているのである。しかし一度決定したので、世界がその方向で動き出している。次善策として、EU残留と同じような条件をEUから引き出すことが考えられるが、そんな虫のいい話はEU加盟国が許さない。

 

スコットランドはEU残留派が多いので、スタージョン首相がUK(イギリスの略称)からの独立を言い出している。一度否決されたが、今度こその再チャレンジである。独立してから、再度EUに加盟のつもりだが、その前にイングランドが独立を許さない、独立しても政治や経済が独り立ちできないなどの障害があり、簡単に実現するとは思えない。スコットランドだけでなく、英国からの移民希望者も殺到している。

synodos.jp

www.msn.com

 

 

EUとの離脱交渉の第一弾はEU首脳会議での離脱通告であったが、残留派のキャメロン首相は通告をしなかった。これに対し仏のオランド大統領は50条通告があるまで英国とは交渉しないとの強硬姿勢をみせ、独のメルケル首相も移民はダメ、関税は今までどおりのいいとこ取りは許さない姿勢を示している。フランス、オランダ、イタリアなどは、英国に続いて離脱の議論が出かねない国情を抱えているので、仏大統領もEU残留メリットの強調に必死である。

headlines.yahoo.co.jp

 

英国のキャメロン首相は長くても10月までで、離脱交渉は次の首相にと明言している。しかし離脱派を主導してきた前ロンドン市長のジョンソン氏は早くも次期首相選には出馬しない意向を示している。この苦難の国家をこれから率いるのは、確かに並大抵の苦労ではない。次期首相は離脱派からと思っていたら、残留派の閣僚なども立候補しようとしている。残留派が首相に選ばれたら、このまま離脱交渉を長引かせ、実質的に
離脱しない方向に世間が納得するまで、引っ張るのだろうか。EU諸国は逆に中途半端は止めて早く離脱を決定したい雰囲気なのに。

headlines.yahoo.co.jp

 

EU離脱後、ポンドが下落した恩恵を受けて、早速中国の爆買い観光客が英国に押し寄せている。通販でも英国ブランドがよく売れているとのことである。経済を支えるほどではないが、一般市民はこの機会を逃さず、というのは中国らしいやり方である。

www.bloomberg.co.jp

 

このまま英国は世界をリードする国から、普通のその他大勢組に変わってしまうのだろうか。経済的に貧しくなると他国が相手にしなくなるので、そうなる可能性もある。国家繁栄へのかじ取りは政治がするものである。日本は今のところ円の価値が認められ、オリンピックやサミットも開催できる国になっている。

今こそ日本が世界を指導し、世界的に認められる発言ができるチャンスである。