天声手帳

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ダッカの飲食店でテロ事件

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7月2日参議院選挙遊説合戦の真っ只中で、衝撃的な事件が伝えられた。バングラディッシュの首都ダッカの飲食店で立てこもり事件が発生、日本人が多数含まれていて犯人はIS過激派バングラ支部と名乗っているというものだった。今日になって人質20人が殺害され、そのうち日本人が7人含まれていたという悲惨な結果が報告された。

 

亡くなった方々は国内のコンサルタント会社の社員らで、国際協力機構(JICA)の業務委託でダッカのインフラ整備のため派遣されていた。バングラディッシュのために頑張っていた日本人たちが、それを理解しない一部の過激派組織に殺害されたのは、なんともやりきれない気持ちである。JICAでは最近の邦人射殺事件などを受けて、テロ警戒のため外国人が多く集まる場所に行かないよう注意喚起していたが、コンサルの人たちまでは伝わっていなかったという。そしてイスラム教の聖典コーランの一節を暗唱させ、できない人を殺害した。

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イスラム国ではイラクやシリアで攻撃を受け劣勢になっているので、ラマダン月に西側の権益を攻撃しろという声明を出していたようだ。バングラ当局は当然警戒を強化していたのだが、事件は起こってしまった。今までは暗殺など単発的な犯行が多かったが、今回複数の犯人が組織的にレストランを襲撃という新しい攻撃方法をとったため、当局の警戒もそこまでは想定外だったようだ。振り返ればかなり危険な状態の中で、仕事をしていたことになる。ダッカの治安を考えると日本とは違うことはもっと警戒されてしかるべきだった。

 

犯人たちは全員バングラディッシュ人でしかも高学歴の裕福な家庭に育った人たちだという。現状に不満があるため、変革を求めているうちにISの活動に刺激を受けて、その方向に突き進んでしまった若者たちなのかもしれない。全員20歳代で周到な準備と調査をして十字軍諸国の国民を襲撃したとインターネット上の犯行声明にある。いずれも捜査当局の監視対象になっていた若者たちであった。

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直接ISに所属している訳ではなくても、イスラムの教えを通じてISと同じ行動をとるようになるのは怖い話だ。イスラム教徒はもっとISとは違う人たちもたくさんいることをPRし、ISとは一線を画して行動すべきである。そうでないとトランプ氏のように「イスラム教徒はすべて敵」の政策になってしまう。

 

バングラディッシュのハシナ首相は、「今回の事件はテロであり一部の勢力の陰謀である。イスラム教は平和の宗教だ、イスラムの名を語って人を殺すのは止めてほしい」と訴えている。一方では貧困と低開発の東南アジア各国にはISが資金を提供して拠点をつくろうとしているという話もある。

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次はシンガポールで同じ事件が起こるかもしれない。海外で働く方々は十分な注意と

警戒を怠らないでほしい。

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