クリスピー・ドーナツは危険
新宿サザンテラスにあるクリスピー・ドーナツ店は2006年の開店時、並ばなければ買えない有名店だった。それが最近並ぶ人がなく、いつでもすぐ買えると思っていたら、実はチェーン店が64から47店舗に激減しているという。健康志向が高まり、糖質、脂質のかたまりであるドーナツは敬遠されるようになったようだ。
米国ではすでに経営破綻していて、スーパーなどへ卸しているだけになった。
クリスピーが敬遠されたのはトランス脂肪酸があるためだという。トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種。大量に摂取すると、心筋梗塞などの血管疾患のリスクを高める。米国ではトランス脂肪酸に対する危機意識が強く、すべての食品に含有量の表示が義務付けられている。2018年にはトランス脂肪酸の原因となる油脂の使用が原則禁止になる。
トランス脂肪酸は植物油を加工してつくるマーガリンや、それらを使った食品に多く含まれる。日本は平均の摂取量が少ないことから、今まで問題視してこなかった。しかし
若者に摂取量が多いこと、少しでも減らした方がいいとの考えから、内閣府の食品安全委員会や消費者庁が表示義務の検討をはじめている。国内企業では山崎製パンやセブン・アンドアイホールディングスが低減対策を実施したり、削減に努めている。
一般的に不飽和脂肪酸はコレステロールを減らし、飽和脂肪酸は増やすと言われている。飽和脂肪酸はバターや牛脂、ラードには約50%、生クリームやチーズ、マーガリンには約25%、ショートニングには35%含まれる。
多く摂りすぎると動脈硬化や心筋梗塞の原因になり肥満にもつながる。
不飽和脂肪酸は、高血圧、動脈硬化を予防し、アトピーの改善、便秘の改善などにもよい。オリーブオイル、なたね油、くるみ、ラー油、マカデミアナッツ、ゴマ油などに多く含まれる。
またビタミンB12は脂肪が分裂するときに必要な補酵素(コエンザエム)で消化や代謝で酵素が働くとき、欠かせない存在である。不足すると疲れやすくなり、貧血なども起こりやすい。多く含む食品はしじみ、赤貝、あさり、味付け海苔、焼きのり、煮干し、あおのり、畳いわしなどで貝類や魚類、海藻類に多い。
神経の働きを正常に保ち、消化器官の不調を回復させ、不眠症にもきくと体にいいことばかりなので、毎日しっかり摂るようにこころがけたい。