天声手帳

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江戸名所百景を探訪

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歴史と民族の博物館友の会で浮世絵クラブに所属しているので、「目黒川沿いの江戸名所百景」の散策に参加した。目黒駅から恵比寿駅までのコースで江戸百景のうち、5つを訪ねる。かつての風景は高層ビルに隠れて見えないが、夕日、富士、茶屋等の名所跡と書いた石碑がある。

 

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江戸名所百景は歌川広重が、安政3年から5年にかけて描いた晩年の代表作である。春夏秋冬の118枚の江戸各地の風景を浮世絵に残した。当時の面影が偲ばれる貴重な作品で、西洋のゴッホも熱烈なファンだった。特筆されるのは、これらの絵画は江戸が壊滅的な被害を受けた安政地震の直後から描かれたことである。その後も黒船の来航、水害、大火、疫病とこの世の末期と思われるような事件の中で、自ら剃髪し法体となって、江戸の復興を願いながら描いたとのことである。

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目黒駅に18人が集合して、崖を切り開いて作った急な行人坂を下る。明和の大火の火元となった大円寺を見学。八百屋お七の相手の吉三の碑があった。坂を下りきると目黒川の太鼓橋に出る。昔は石造りの太鼓橋はめずらしく、名所であったようだ。ここから目黒川沿いの桜並木が続き、みなさん咲いているときに一度来てみたいの声がしきりだった。爺々が茶屋では将軍家光(吉宗説もあり)が鷹狩のときに、食したという「目黒のサンマ」の説明板あった。

 

途中、平家物語の講話ビラを見ているクラブのおばさんがいたので、平家物語は好きですかと声をかけたら、にっこり笑って「大好き、ずっと趣味で研究している」とのこと。続けて芥川龍之介の話になったら、文学好きのおばさんの話が止まらなくなった。日本各地の文学にゆかりの地を訪ねている話まで付き合っていたら、他の人たちから遅れそうになって、慌てて追いついた。

 

代官山の駅の近くで、旧朝倉邸屋敷を見学、65歳以上は無料がありがたかった。大正時代の建築で、関東大震災や戦災もくぐり抜けた貴重な建物で、見応えがあった。大正8年の建築というから、父の生まれる前年で、90歳の母にも見せてあげたいと思った。

渋谷区/重要文化財 旧朝倉家住宅

 

恵比寿駅で解散の予定が、時間が押したのでここで解散になった。昼食のそばをみんなで食べている時にイギリスのEU離脱が決定し、為替や株価に大影響のニュースを知り、昼食時はその話題になってしまった。この浮世絵クラブの会員は埼玉の各地から集まっているので、毎回面白い話が聞けて、とても楽しいクラブである。次回もぜひ参加しようと思った。