天声手帳

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サービス産業の生産性向上は可能か

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テレ東のWBSで、笑顔の可愛い大江キャスターが、サービス業の生産性向上について言及していた。大江キャスターの対策は?の質問に解説者は教育に課題があると力説していたが、それだけでは何故かわからない。安倍首相もGDPの押し上げにサービス業の問題があると気づき、最近話題になっている。

 

サービス産業は日本のGDP(国民総生産)の7割を占め、雇用の面からも7割がサービス産業従事者である。しかし製造業と比べると例えば小売、飲食、医療、福祉という分野は米国の水準の5~6割で、従業員は多いが給与は低く、離職率も高い。この部分がもっと高い成長率になれば、GDPを大きく押し上げることが可能というわけである。

diamond.jp

 

低い原因は中小企業が多い、成長の元になる付加価値がつけられない、保存がきかないので、時間と場所の同時性に制約されるなどいろいろ分析されている。政府の対策はIT補助と規制緩和の2本立てである。東京オリンピックでは「おもてなし」を前面に出して日本をPRしようとしている。

企業はCS(顧客満足度)向上を目指して、社員研修や現場訓練を強化している。それでも事態は一向に改善しない。なぜかよく考えてみる必要がありそうだ。

 

ダイヤモンドオンラインでは甘いキャベツとソーダガツヲの稚魚・新子を例にあげて、発想の転換を促しているが、これはいくつかの成功例はあっても応用できないので、全体を押し上げる要素にはなりにくい。

 

これに対しマネトクの説明は説得力がある。日本の場合、顧客のクレームや細かい注文が多く、この対応に時間と経費がかかるため生産性があがらないというわけである。アメリカから学ぶ改善点は3つで、トラブルを過剰に抱え込まないために従業員は顧客と対等の関係になること、問題解決に時間がかからないよう現場に即決できる権限を与えること、サービスの対価はきちんと顧客に求めることである。

moneyforward.com

 

よさそうに見えるがCS向上が売り上げ向上に直結すると考えている経営者にはなかなか決断できない方法かもしれない。しかし顧客にたいしての毅然とした態度は、その企業の品格を上げる。一時的に売り上げは下がっても企業名ブランドの価値が向上すれば、顧客はついてくる。ひいては長く企業が存続できることになるのである。


世界のブランドと言われる企業をみれば、納得できる話と思うが。