天声手帳

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イセドル九段がんばれ

イセドル九段がんばれ。私の好きな吉原由香里六段がブログ「吉原由香里のつれづれ日記」で応援していました。そう囲碁棋士のみならずマスコミがこぞって大注目したコンピュータソフト「アルファ碁」との5番勝負対決があったのです。戦前の予想では囲碁のソフトが人間に追いつくのは10年先と言われていました。そして、その結果は・・・・アルファ碁の4勝1敗でした。 

 

イセドル九段といえば韓国の、いや今世界で一番強いと言われているトップ棋士です。いきなりコンピュータと対決するのはちょっともったいない、負けたらどうする?といろいろな議論があったようですが、プロ棋士としてどうどうと戦ったイセドル九段には実に立派であり、負けてもすがすがしさを感じさせました。チェスがソフトに敗れてから、いずれ将棋や囲碁もと誰もが予想はしていましたが、こんなに早いとは!

 

今回の人工知能アルファ碁の勝因はディープラーニング(深層学習)という手法をとりいれて、3000万局もの経験を積ませたからという。この手法は囲碁のみならず汎用的にビジネスの手法にも使えるという。マスコミは、こぞって人工知能はもはや人間を超える存在になった。近い将来人間は機械に使われる時代がくると書き立てた。日本のある棋士は、人工知能はいくら考えても疲れないから強いのだと言った。

 

では人工知能の弱点はないのか。今回の対局では一度劣勢に陥ると、人間では考えられないレベルの低い手を打ったという。人工知能ツイッターもできるそうだが、相手を怒らせてしまうような書き込みを平気でしてくる。よかった。やはり人間は過去の歴史の中で、人間同士が会話するときのルールを自然に身につけられるようにできていて、育った環境の中でそのルールを無視しないようになるのだ。理屈だけでなく感情も含めて人間らしい会話をするのが人間といえるのだろう。